研究課題/領域番号 |
10671947
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
野坂 久美子 岩手医科大学, 歯学部, 助教授 (80048363)
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研究分担者 |
阿部 英一 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (60265171)
佐藤 輝子 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (70205938)
駿河 由利子 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (70244952)
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キーワード | 乳臼歯 / 窩洞形態 / 接着性コンポジットレジン / 微小漏洩 / ボンデイング材の厚さ |
研究概要 |
目的:平成10年度の研究結果で、乳歯への接着性コンポジットレジン適応の予後を左右する因子にレジンの種類ならびに窩洞形態のあることが判明した。そこで、平成11年度では、前年度に用いた椀型ならびにボックス型のそれぞれの長所を応用した理想的窩洞形態を想定し、対照群をボックス型として、レジン充填後の窩縁からの微小漏洩とボンデイング材の厚さについて、検討した。研究方法:資料は、抜去上下顎第二乳臼歯36歯である。用いたボンデイングシステムは3M社製のシングルボンドであり、コンポジットレジンはクラレ社製AP-Xと3M社製Z100である。窩洞形態は、咬合面1級で、深さは近心小窩1.5mm、窩同幅は頬舌側咬頭頂間距離1/3とし、窩底部は咬号面に水平に、窩洞の側壁は、咬合面に75度になるように形成したものを理想型、78度に形成したものを対照群のボックス型とし、すべての窩洞に吉田社製オクルーザルトリミングバー8804を用いてラウンドベベルを付与した。その後の試料作成と観察方法は前年度と同様である。 結果と考察:窩洞の側壁を75度で形成した場合、形成後の側壁は72〜74度であり、78度で形成した時は、78〜80度であったが、平均的には設定条件に近似していた。微小漏洩について、75度AP-Xでは漏洩の全くないものが83.3%、75度Z100では90%であった。しかし、対照群の78度AP-X群では66.7%、78度Z100群では62.5%で、明らかに理想窩洞とした75度の方が漏洩は少なかった。ボンデイング材の厚さについても、75度の方がスコア3〜5の範囲にあったが、78度の対照群では、スコア2〜5までの広い範囲に亘っており、その厚さも、前者では約20μmに対し、後者では、厚い部位で35.6μmであった。以上の結果より、75度とした窩洞は、乳臼歯への接着性コンポジットレジン窩洞として、理想的なものと考えられた。
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