平成11年度はマウス第3臼歯の欠如歯成因に対する候補染色体の特定を目的とし、平成10年度において検出したinformativeなMITマーカーを用い、F2intercross(10匹)およびbackcrossマウス(7匹)を試料として連鎖解析を行った。 (1)(EL×MSM)×(EL×MSM)ならびに(MSM×EL)×(MSM×EL)の交配から得られたF2 intercrossマウス10匹(欠如歯を有するマウス)を用い、全染色体に対するinterval mapping(各染色体上に2〜4個のMITマーカーを設定し遺伝子型タイピング結果から連鎖の強さを判断する)を行ったところ染色体3番が有力な候補染色体となることが示唆された。 (2)(EL×MSM)×ELの交配から得られたbackcrossマウス7匹(欠如歯を有するマウス)を用い、全染色体に対するinterval mappingを行ったところ染色体3番が有力な候補染色体となることが示唆された。 以上の結果から、マウス第3臼歯の欠如歯成因には染色体3番が候補染色体である可能性が強く示唆された。そこで、染色体3番における詳細な連鎖解析を行ったところF2マウスにおいてD3Mit17、38、194で(χ^2=22.6、p<0.0001)、N2backcrossマウスにおいてD3Mit17、38、194で(χ^2=3.2、p<0.05)と高い連鎖結果が得られた。連鎖解析結果より染色体3番上の44〜49cM付近に候補遺伝子が存在するものと思われる。
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