1. ニフェジピンと歯肉増殖との因果関係を細胞外マトリックスの主成分であるグリコサミノグリカン(GAG)に注目し、生化学的に解明するのが目的である。 2. ニフェジピン投与ラットの増殖歯肉ならびにニフェジビン非投与ラットの歯肉からGAGを通法にて抽出し、その後セルロースアセテート膜電気泳動法とクロマトスキャナーによりGAGの定性、定量を行い両者のGAGを比較検討した。 3. 抽出した両者のGAGをセルロースアセテート膜電気泳動により分離しアルシアンブルーで染色した結果、ヒアルロン酸、ヘバラン硫酸、デルマタン硫酸、コンドロイチン硫酸に相当する画分が濃染され、歯肉中には4種のGAGが含まれることが確認された。 4. 各GAGを定量した結果、ヒアルロン酸とデルマタン硫酸が主要GAG成分であり、ヘパラン硫酸とコンドロイチン硫酸は微量成分であった。 5. 更に歯肉GAGの生合成過程についてもH-グルコサミンを用いて、in vitroにおける取り込み実験による観察を行う予定である。
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