研究課題/領域番号 |
10671981
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伏谷 眞二 東北大学, 薬学部, 助教授 (80108563)
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研究分担者 |
高野 文英 東北大学, 薬学部, 教務職員 (20236251)
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キーワード | マクロファージ / 一酸化窒素 / 抗炎症作用 / Cleome droserifolia / Andrographis paniculata / Caesalpinia sappan / 抗マラリア活性 |
研究概要 |
活性化マクロファージ(Mφ)が産生する一酸化窒素(NO)は、生体防御因子として作用する一方、炎症時に多量に産生された場合には炎症を悪化させる。そのため、活性化MφのNO産生を増強する物質には抗腫瘍活性や抗微生物活性が、また、抑制する物質には抗炎症作用が期待される。今回、いくつかの植物について、マウス腹腔MφのNO産生におよぼす影響を調べ、以下のような結果を得た。 1)エジプトで抗炎症や糖尿病の治療に使われる民間薬Cleome droserifoliaに含まれる2種のフラボノイドがin vitroの系でマウス腹腔MφのNO産生を抑制することを明らかにした。 2)各種炎症性疾患、高血圧、糖尿病に対して民間で汎用されているインドネシア産薬用植物Andrographis paniculataのメタノールエキスが経口投与でマウス腹腔MφのNO産生を抑制すること、および、その活性本体がneoandrographolideであることを明らかにした。 3)下痢、赤痢、嘔吐等に使われるインドネシア産薬用植物Caesalpinia sappanに含まれるカルコン誘導体がin vitroの系でマウス腹腔MφのNO産生を抑制することを明らかにした。 4)中国で古くからマラリアの治療に使われてきたジョウザンアジサイの主活性成分であるfebrifugineが、経口投与によってマラリア感染マウスの血中NO量を高めることを明らかにするとともに、血中NO量の増加と抗マラリア作用の相関関係を明らかにした。
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