研究課題/領域番号 |
10671985
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
清水 正人 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (50126231)
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研究分担者 |
山本 恵子 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (90147017)
山田 幸子 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (10014078)
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キーワード | フッ素化ビタミンDアナログ / 蛍光性ビタミンDアナログ / ビタミンD受容体 / コンフォメーション / ^<19>FNMR / ビタミンD-受容体コンプレックス |
研究概要 |
活性型ビタミンDの生物作用は転写レベルで制御されている。この転写制御ではリガンドのコンフォメーションに依存したビタミンD受容体の三次元構造が重要であることが明らかになってきた。本研究では、受容体に結合している状態のビタミンDの立体構造をフッ素化ビタミンDアナログおよびフッ素置換受容体蛋白を用いてリガンド側および受容体蛋白側の両面から^<19>FNMR法により明らかにする。更に、蛍光標識ビタミンDアナログをプローブとして生きた細胞中でのビタミンD-受容体相互作用を探る。本年度は以下の点について検討した。 1. ビタミンDの生物作用発現にとって重要なA環コンフォメーションを解明するための二つのプローブ4-および19-フッ素化ビタミンDアナログの合成は既に完成している。これらのアナログは、詳細なNMR解析からA環部の二つの主コンフォメーションを明瞭に観察できる優れたプローブであることが判明した。 2. 天然リガンドと比べ二つのフッ素化アナログの受容体結合活性は約10〜100分の1、転写活性化能は2〜4分の1と低下したが、受容体との相互作用を調べるためのプローブ化合物として十分な活性を持つ(Kd値は約10^<-8>Mを維持している)ことを確認した。 3. フッ素化アナログを用いて受容体複合体中のビタミンDのA環コンフォメーションを^<19>FNMRで解析したところ、二つの主コンフォメーションの内の一つ(α-コンフォマー)が受容体と複合体を形成していることを確認した。共役トリエン部や側鎖部も含めて受容体相互作用時のビタミンD分子全体のコンフォメーションを解明していく予定である。
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