研究概要 |
1. 平成10年度は抗腫瘍活性発現部位探索をも考慮し、先ず、ハリコンドリンBの特徴的な構造であるF環部を中心とするポリエーテル部分とマクロラクトン部分の合成ルートを完全に確立することができた。すなわちポリエーテル部分においては合成中間体の効率の良い合成ルートに改善をされたことによりグラムスケールでの供給が可能となった。また、マクロラクトン部分においては最終工程のラクトン化の収率に問題を残していたが、いまだ満足する収率には至っていないものの、50%(それまでは、20%)まで改善することができた。 2. ハリコンドリンBの中で最も作用発現に重要であると考えられる構造であるF,G環部分(1,6-dioxa-cis-decaline骨格)をδ-hydroxy-α,β-不飽和エステルの立体選択的分子内Michael反応を利用し、可能な4つジアステレオマーを合成する方法論を開発することができた。
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