平成11年度までにハリコンドリンB全合成のための方法論を確立しており、平成12年度には全合成に必要な4つのフラグメントをグラムスケールで調製することができた。ハリコンドリンBのマクロラクトン部分の抗腫瘍活性試験についてはすでにハーバード大学の岸教授が行っているので、ポリエーテル部分の合成中間体についていくつかの癌細胞を用いてin vitroでの活性試験を行った。乳癌細胞ではそれ程の細胞増殖抑制効果は認められなかったものの、食道癌細胞KE-4に対して25μg/mlの濃度で98%増殖抑制活性を示した。ポリエーテル部分については白血病細胞などに対しても増殖抑制活性があることが認められており、今後の発展が期待される。
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