研究課題/領域番号 |
10671996
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
伊藤 喬 昭和大学, 薬学部, 助教授 (40159885)
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研究分担者 |
松谷 裕二 昭和大学, 薬学部, 助手 (50255858)
永田 和弘 昭和大学, 薬学部, 講師 (20208010)
大沢 昭緒 昭和大学, 薬学部, 教授 (00102369)
提 のぞみ 昭和大学, 薬学部, 助手 (00255382)
宮埼 倫子 昭和大学, 薬学部, 助手 (00266165)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 一酸化窒素 / 窒素酸化物 / 含窒素芳香族化合物 / N-アミノ化合物 / NO消去剤 |
研究概要 |
一酸化窒素NOは、生体内情報伝達物質としての機能を有することが報告されて以来、生理学的、医学的に多岐にわたる作用を示すことが明らかにされている生体内在性の低分子ラジカルである。NOは、生理学的な機能を有するだけでなく、ある程度の濃度以上存在すると細胞毒性を示すことも報告されている。一方、NOの化学に関しては、この分子が古くからその存在を知られていたにも関わらず体系的な知見は得られていなかった。特に、その化学反応性については、NOが速やかにNOが速やかに分子状酵素と反応して二酸化窒素NO_2となるため、NO自体の反応については不明であった。我々は加える酵素の量を調節し、活性種の存在状態を変化させることによって、アミン類に対する新規なNOの反応性を解明した。まず、NOに対する酸素の量を変化させながらアミンとの反応性を検討することにより、その相互作用の様式が3種類存在することを明らかにした。これは、旧来混乱していたNOのアミンに対する反応性を解明した初めての例である。またそこで得た知見を元に、NO消去剤の開発を検討し、含窒素芳香族N-アミノ化合物が、種々の比率での酸素存在下、NOを効果的に消去し、N_2Oを与えることを見いだした。NO消去剤としてこれまで用いられているものは、NOを酸化してより反応性の高いNO_2を生成するか、または金属錯体を用いる反応であった。筆者等の開発した方法は、有機化合物を用いてNOを無毒化できる点が新規である。また反応により遊離する複素環部分を幅広く選択できるため、NOを消去した後、消去が起こった局所に望みの薬理活性を発揮する薬物を遊離できる可能性がある。今後、これらの化合物の生理作用を検討する予定である。
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