研究課題/領域番号 |
10672002
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
秋田 弘幸 東邦大学, 薬学部, 教授 (60087525)
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研究分担者 |
野澤 雅子 東邦大学, 薬学部, 助手 (10277345)
加藤 恵介 東邦大学, 薬学部, 講師 (80276609)
尾能 満智子 東邦大学, 薬学部, 助教授 (80104149)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | Macrosphelide A / Chuangxinmycin / (-)-Ambrox / (+)-Zonarol / Nikkomycin B / Vitamin E / リパーゼ / 全合成 |
研究概要 |
平成10年度から開始した基盤研究(C)(2)では特異な生理活性を有し、且つ複雑な構造を有する天然物を合成の標的化合物として選び、その光学活性体の合成をリパーゼの持つ物質変換機能を基盤として行った。1.細胞接着は生体内において細胞間の情報伝達や免疫、増殖、分化などの様々な生体反応において重要な働きを演じている。癌の血行性転移でも、血管内皮細胞と癌細胞を接着させる物質が重要な働きを担っている。細胞接着阻害剤は癌転移阻害活性を示すものであり、近年糸状菌より単離されたMacrosphelide Aがこれに相当する。2.ある種の放線菌より単離されたVicenistatinは抗腫瘍活性を示し、又、(-)-Chuangxinmycinは尿路感染症に対して有効に機能する。3.海綿より単離されたWiedendiol-Aは、動脈硬化症を増大させると考えられる cholesteryl ester transfer protein (CETP)の酵素活性を阻害する物質である。Macrosphelide A 及び(-)-Chuangxinmycinの不斉合成については初期の目的を達成した。Vicenistatinの不斉合成については先ずそのアミノ糖であるラセミのvicenisamineの合成を行った。Wiedendiol-Aの不斉合成研究ではその母核となるデカリン型キラルシントンの合成に成功し、それからアンバーグリス様香気を呈する(-)-ambroxや海洋天然物である(+)-zonarolの形式合成を行った。更に酵素反応を基盤として光学活性ビタミンEの全合成やヌクレオシド系抗生物質であるNikkomycin Bの形式全合成も行なった。
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