研究概要 |
昨年度エゾムラサキツツジ(Rhododendron dauricum L.)葉部及び枝部のMeOHエキスから,ダウリクロメン酸(daurichromenic acid)及び新規クロマン誘導体2種(daurichromanic acid A及びB)を抗HIV活性成分として単離・構造決定したが,それらの絶対構造は不明であった。本年度においては,daurichromanic acidBの誘導化を行い,良好な結晶が得られたので,X線結晶解析により,その絶対構造が決定できた。またさらに,daurichromenic acidの絶対構造は未決定であったが,daurichromenic acidから光反応により,daurichromanic acid A及びBが得られたことから,これら3種全ての絶対構造決定することが出来た. またこれらの化合物の正確な抗HIV活性は現在検討中であるが,ダウリクロメン酸は,EC_<50>0.00567μg/mL,TIが3,710と天然物としては非常に強い抗HIV活性と治療係数を示すことが判明している。
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