研究課題/領域番号 |
10672012
|
研究機関 | 大阪薬科大学 |
研究代表者 |
沼田 敦 大阪薬科大学, 薬学部, 教授 (50067279)
|
研究分担者 |
岩本 千佳 大阪薬科大学, 薬学部, 客員研究員
山田 剛司 大阪薬科大学, 薬学部, 助手 (20278592)
宇佐美 吉英 大阪薬科大学, 薬学部, 助手 (70278589)
|
キーワード | 抗腫瘍性物質 / 細胞毒性 / 海洋生物 / 海洋微生物 / 細胞増殖阻害 / 菌代謝産物 |
研究概要 |
海洋生物由来菌類の産生する抗腫瘍性物質の発見を目的として、種々の海洋動植物より細胞増殖阻害物質を産生する菌類を検索するとともに、すでに分離されている菌類の細胞増殖阻害又は抗腫瘍性代謝産物について検討した。その結果、下記のように、20種の新規細胞増殖阻害物質を単離し、それらの化学構造を決定した。 1. 海洋生物由来の細胞増殖阻害物質産生菌の探索-海藻、ウニ、ナマコ等の海洋生物から腫瘍細胞の増殖阻害物質を産生する菌の分離を行い、該当する菌として14種の放線菌及び9種の真菌を得た。 2. 緑藻ボウアオノリ由来真菌の細胞増殖阻害代謝産物-ボウアオノリより分離したべニシリウム属真菌から細胞増殖阻害物質として新たに6種の新規物質(レプトシンF-K)を単離し、それらの立体構造を決定した。 3. ダイダイイソカイメン由来真菌の細胞増殖阻害代謝産物-ダイダイイソカイメンより分離したジムナセラ属真菌から細胞増殖阻害物質として新たに9種の新規物質(ジムナスタチンD-H及びジムナステロンA-D)を単離し、それらの立体構造を決定した。 4. アメフラシ由来真菌の抗腫瘍性代謝産物-アメフラシより分離したペリコニア属真菌から新たに5種の新規物質(ペリコシンC-E、ペリコールB及びマクロスフェライドI)を単離し、それらの立体構造を決定した。 5. 抗腫瘍性物質ペリコシンA及びBの合成研究-アメフラシ由来真菌の抗腫瘍性物質ペリコシンA及びBの全合成を目的として、(±)-5-エピシキミ酸を原料として検討し、ペリコシンBの異性体の合成に成功した。引き続き目的物質の合成を検討している。
|