NOと特異的かつ定量的に反応するESRのスピントラッピング剤であるCarboxy-PTIOをNOの定量に用いた。これはNOと反応することにより反応生成物であるCarboxy-PTIを定量的に生じる。ESRによるCarboxy-PTIOとCarboxy-PTIのスペクトルはそれぞれ5本と7本のESRスペクトルが得られた。そのシグナルの強度が濃度と比例するため、Carboxy-PTIの生成量或いはCarboxy-PTIOの減少量より、NOを定量した。ESRにおいて、Carboxy-PTIOとCarboxy-PTIの検出限界(S/N=3)はそれぞれ、10nM、100nMであった。しかし、双方のラジカルが共存している場合、g値が近似しているためESRスペクトルのピークが重なってしまうため判別が非常に困難であった。 そこで、HPLC/ECDシステムを構築して、Carboxy-PTIOとCarboxy-PTIを分離定量し、さらに高感度目的で電気化学検出器(ECD)を導入し、HPLC/ESR/ECDシステムを構築し、その基礎的条件を検討した。 HPLC/ESRシステムにより、Carboxy-PTIOとCarboxy-PTIを分離し、ESRにより定量したところ、検出限界は100〜50μMであった。
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