肝臓に特異的に発現するレギュカルチンの遺伝子は、X染色体に位置し、エクソン構造6個を有する。レギュカルチン遺伝子(ラット)の5'上流のプロモーター領域には、転写因子NFI結合領域が存在し、肝細胞核蛋白質がレギュカルチン遺伝子5'上流域のNFI consensus sequenceに特異結合することがゲルシフトアッセイ法によって明らかにされた。さらに、このNFI結合モチーフは、レギュカルチンmRNAの転写を促進するために重要であることが、ルシフェラーゼアッセイ法によって明らかになった。さらに、ラット肝がん細胞(H4IIE)を用いた実験から、Bay K 8644(Ca^<2+>流入促進剤)の存在下で、核蛋白質のレギュカルチン遺伝子プロモーター領域NFI結合モチーフへの結合が増大し、転写活性が有意に増加することが見出された。このように、レギュカルチン遺伝子の転写活性はCa^<2+>シグナリングを介した機構によって高められることが判明した。実際に、H4IIE細胞培養系において、Bay Kの添加はレギュカルチンmRNAの発現を増大することを認めた。
|