研究課題/領域番号 |
10672050
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
渡辺 稔 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (50012638)
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研究分担者 |
大矢 進 名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (70275147)
今泉 祐治 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (60117794)
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キーワード | 外科的除神経 / 副交感神経 / 虹彩縮瞳筋 / スキンドファイバー / ムスカリン受容体サブタイプ / 収縮蛋白 / 筋小胞体機構 / GTP結合蛋白 |
研究概要 |
自律神経、特に副交感神経を外科的に除神経した場合に、支配組織の平滑筋に生じる非特異的な収縮反応増大現象の機構を、最近明らかになりつつある平滑筋収縮蛋白系のCa^<2+>感受性増大機構と関連付け、スキンドファイバーを用いた薬理学的手法及びRT-PCR法を主に用いた分子生物学的手法により解明を試みた。毛様体神経節除去によりラット虹彩においてムスカリン受容体サブタイプのうち、正常筋で高発現しているm2.m3,m4のmRNA量を定量的PCRで測定したところ、m2とm3が増大、m4が減少していた。除神経後に虹彩縮瞳筋に生じる非特異的な収縮反応増大が、収縮蛋白系のCa2+感受性の増大を伴っているかについて検討した。筋小胞体機能を破壊したスキンドファイバーを用いて検討したところ、収縮蛋白のCa^<2+>感受性は変化していないことが明かとなった。一方、最大収縮はスキンドファイバーにおいても非スキンドファイバーと同様に、除神経により約1.5倍増大した。一方、筋小胞体機能を保持したスキンドファイバーにおいて、アセチルコリンやイノシトール3燐酸(IP_3)による最大収縮は、除神経により、Ca^<2+>による最大収縮と比べて顕著に増大したが、前者による増大の方が有意に大きかった。カフェインによる最大収縮の増大は僅かであった。従って筋小胞体からのIP_3感受性Ca^<2+>遊離量が除神経により増大したと考えられる。さらに除神経標本においてCa^<2+>感受性は非水解性GTPにより変化しなかったものの、最大収縮は増大したので、アセチルコチンによる最大収縮の増大にGTP結合蛋白が若干関与している可能性が示唆された。
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