研究課題/領域番号 |
10672054
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
大幡 久之 昭和大学, 薬学部, 助教授 (00119166)
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研究分担者 |
山本 雅幸 昭和大学, 薬学部, 助手 (90307067)
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キーワード | 機械受容応答 / 機械受容チャネル / 細胞内Ca^<2+>イオン濃度 / リゾホスファチジン酸 / 水晶体上皮細胞 / 共焦点レーザー走査顕微鏡 / 高速四次元画像化法 |
研究概要 |
平成10年度の検討で、培養ウシ水晶体上皮細胞においてリゾホスファチジン酸(LPA)存在下に機械刺激により直径2〜3μmの局所から同心円上に細胞内Ca^<2+>イオン濃度([Ca^<2+>]i)が上昇する現象(Ca^<2+>スポットと命名)が、高速共焦点レーザー走査顕微鏡と高速光軸駆動装置を用いて主に水流刺激を直接受ける細胞の自由膜面に存在する機械受容チャネルからのCa^<2+>流入とその拡散を反映したものである可能性を示した。この検討では、使用したカメラの感度の制限から、自由膜面側と接着膜面側の二次元光学断層画像を交互にそれぞれ26フレーム/秒の時間分解能で取得するの限界であった。本年度は、このシステムに第4世代イメージインテンシファイアーを加えて高感度化することにより、6光学断層画像をそれぞれ29フレーム/秒の時間分解能で取得可能な高速四次元画像化システムを構築し、本現象の解析を試みた。その結果、Ca^<2+>スポットの発生は、自由膜面に近い断層面で明瞭に観察でき、基底膜面へ向かって拡散する様子を捕らえることに成功した。また、30ミリ秒前後でピークに達し、直径5μm以上は広がらず、80ミリセカンド後には消滅する微少なCa^<2+>スポットを検出した。さらにこのCa^<2+>スポットの発生機構について検討し、抗インテグリンβ_1抗体に対する免疫反応性が本細胞の自由膜面に存在すること、及びインテグリンの細胞外基質のRGD認識部位に結合する阻害ペプチドのGRGDNPの前処置によりCa^<2+>スポットの発生密度が低下することから、インテグリンの接着能と共通したメカニズムがメカノセンサーとして機能した結果、活性化される経路を介したCa^<2+>流入現象であることが示唆された。
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