研究概要 |
研究計画調書に従い,本年度は以下の研究を行った. 1 NIH genetic sequence databaseに登録されているラットiNOSおよびマウスiNOSのmRNA配列を基にDNASIS(日立ソフトウェアー社)を用いてホモロジー検索を行った.それぞれマウスはRAW264.7細胞に,ラットはSDラット肝臓に由来するiNOSmRNA配列を用い検討したところ,79.15%という高いホモロジーが得られた.また,タンパクレベルでの比較では88.99%のホモロジーが得られた. 2 DNASISにより1)で用いたラットiNOSmRNA配列の推定2次構造から,そのループ構造を標的としたホスフォロチオエート型アンチセンスDNA(AS-S-oligo)を5種設計した.AS-S-oligoはそれぞれ,5'非翻訳領域(1種),翻訳領域(3種,うち開始コドン領域に対するもの1種),3'非翻訳領域(1種)に対する20merで,Sugimotoらの最近接塩基対モデルの熱力学的パラメーターから算出したTm値はすべて75℃以上であり,同時に2種類のコントロールS-oligoを設計した. 3 アンチセンス効果を検討するための予備検討として,Kupffer細胞の調製法および種々の刺激物質に対する応答性を確認した.コラゲナーゼ灌流法および振盪法により調製したKupffer細胞を培養プレートに播種し,LPS,TNF-α,IFN-γおよびIL-1βを単独もしくは併用して作用させ,NO産生をGriess法にて確認した.
|