研究課題/領域番号 |
10672058
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
宿前 利郎 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (40057310)
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研究分担者 |
安達 禎之 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (60222634)
大野 尚仁 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (80152213)
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キーワード | 単クローン抗体 / マウスCD14 / マクロファージ / LPS / TNFα / IL-6 |
研究概要 |
白血球の表面抗原に対する単クローン抗体4C1がマクロファージの炎症性サイトカインの産生を抑制することから、その抗原物質の同定を第一目標として、免疫組織化学的染色法による抗原陽性細胞種、細胞の酵素処理による染色パターンの変化、及び細胞膜タンパク質の免疫沈降及び既存単クローン抗体との交差反応性などから検討した。その結果4C1はマウスのチオグリコール酸培地誘導性腹腔マクロファージ、骨髄幹細胞由来のマクロファージ、或いはカゼイン誘導性腹腔好中球に反応性を示し、脾臓のリンパ球や未分化の骨髄幹細胞には全く反応性を示さなかった。陽性細胞をPI-PLCで前処理すると反応性が失われたことから、4C1抗原はGPI結合型糖タンパク質である可能性が示唆された。4C1抗原はGPI結合型であり,4C1抗体はリポ多糖(LPS)で誘導されるマクロファージからのTNFαおよびIL-6産生を抑制し、FITC標識したLPSのマクロファージへの結合も阻害したことから、その抗原物質はLPS受容体として知られるCD14と類似していた。マクロファージ膜タンパク質をビオチン標識し、そのライセートを4C1で免疫沈降させ、SDS-PAGEした後、イムノブロットで抗原物質の分子量を測定したところ約55kDaであった。さらに免疫沈降物を既存のCD14抗体でプローブしたところ、4C1抗原は交差反応性を示した。マクロファージのcDNAサブクローニングにより得られたCD14のcDNAをCOS-7に形質導入し、抗体との反応性を検討したところ、4C1は反応性を示した。以上の結果から4C1の抗原物質はCD14であることが強く示唆された.既存のCD14抗体よりもLPSの抑制作用が高い新規マウスCD14単クローン抗体が得られた。
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