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平成11年度は、下記のような研究成果が得られた。
1.培養モルモット気管支平滑筋増生に対するendothelin及びNOの効果
平成10年度に行ったMTT法を用いた実験について、細胞数計測法により検討を加えた。本法によってMTT法と同様、ET-1による濃度依存的な細胞増殖促進作用が観察され、この作用はET_A受容体拮抗薬であるBQ-123により抑制された。さらに、本年度はMTT法と細胞数計測法を用いて、NO donorであるSIN-1の細胞増殖に対する効果を検討したところ、SIN-1はET-1による細胞増殖促進作用を有意に抑制した。以上の結果は、ET-1による細胞増殖作用すなわち気道壁リモデリングをNOが抑制することを示唆している。
2. 培養モルモット気管支平滑筋細胞におけるET-1によるiNOS誘導
平成10年度にET-1が気管支平滑筋細胞におけるiNOS誘導促進作用を示すことを報告した。そこで、本年度はET-1によるiNOS誘導に対するET受容体遮断薬の効果を検討した。ET_A受容体拮抗薬であるBQ-123は、ET-1によるiNOS誘導を抑制した。すなわち、ET-1はET_A受容体を介してiNOSを誘導すると考えられる。
以上の結果を基に、今後はET-1による細胞増殖促進作用に関与するsignal transduction systemのdouwnstreamについて検討を行う予定である。
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