研究概要 |
1)ES46.65Kについては、構造類似性が知られているヒトのアセチルアミノフルオレン脱アセチル化酵素(AAF-DAC)cDNAを鋳型としてPCRを行い、その生成物を解析、これを利用してES46.5Kのクローニングを行っている。 2)delta-8-及びdelta-9-tetrahydrocannabinol(THC)の12種の酸化的代謝物について、マウス脳ミクロソームanandamide amidohydrolaseの阻害作用を検討した。11-OH-delta-8-及びdelta-9-THC,11-oxo-delta-9-THC等がTHCよりも弱いものの阻害作用を示した。また、cannabigerol及びdelta-9,11-THCはTHCと同等の阻害作用を示した。 3)マウス肝anandamide amidohydrolaseのアミノ酸配列に対応するペプチドフラグメントを合成し、ウサギに免役し、抗体を得た。調製した抗体は、マウス脳及び肝ミクロソームの酵素を認識し、本酵素の機能解析に用いる有用なプローブになることが明らかとなった。 4)マウス肝cDNAライブラリーを2)で調製した抗体を用いてスクリーニングを行い、陽性クローンを得た。現在解析中である。 5)anandamideとdelta-8-THC活性代謝物(11-OH-delta-8-THC,11-oxo-delta-8-THC)の薬理的相互作用を検討した。その結果、体温下降作用及びカタレプシー惹起作用に交叉耐性が認められた。活性代謝物による耐性獲得は、THCよりも強いものであった。 6)delta-8-THC活性代謝物の体温下降作用について、anandamide及び関連化合物の相互作用を検討した。anandamide,oleoylethanolamine及びlinoleoylethanolamineは、それ自身マウス体温に影響しない用量で(0.1mg/kgi.v.)、delta-8-THC及び活性代謝物の体温下降作用を有意に減弱することが明らかとなった。この結果は、THC等のカンナビノイドと内因性カンナビノイドが生体内で相互作用をすることを示すものである。
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