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1999 年度 実績報告書

タンパク質・ペプチドの機能制御を目的とした人工プロテアーゼの合成

研究課題

研究課題/領域番号 10672089
研究機関広島大学

研究代表者

小池 透  広島大学, 医学部, 教授 (90186586)

研究分担者 大谷 和弘  広島大学, 医学部, 助教授 (20203820)
キーワード生体機能制御分子 / プロテアーゼ / 人工酵素 / 亜鉛酵素 / 環境触媒
研究概要

プロテアーゼと同様の機能をもつ低分子化合物は,生体機能の人工的な制御や,外来性タンパク質の除去などと関連して,現在世界的に注目され,早期開発が期待されている機能性分子の一つである。本研究では,生理条件下で水酸化物イオンを捕捉し,強い求核剤となる部分構造と,弱酸性分子(チオールやフェノールなど)をアニオンとして強く捕捉する部分構造を併せもつ分子を開発し,システインやチロシン残基を認識し,かつその近傍のペプチド結合を加水分解する人工プロテアーゼを開発することを目的とした。人工プロテアーゼのデザイン・合成に必要な反応場(酵素活性中心類似の環境)の性質を調べる目的でまず亜鉛のルイス酸としての性質を検討できる数種類の亜鉛酵素モデルを合成した。新らたに合成した人工亜鉛酵素モデルの結晶および溶液内構造を,X線結晶解析法,pH滴定法,NMR測定などにより調べた。それらの水溶液中での安定性,加水分解触媒としての活性や基質であるペプチドや弱酸との相互作用をNMR測定により検討した。その結果,生理条件下では極めて不安定と考えられるアミドアニオンやエノラートアニオンを安定化することのできる低分子亜鉛化合物(人工亜鉛酵素モデル)を世界で初めて作り出すことに成功した。さらに,亜鉛酵素モデルとチオールやフェノールとの錯体の安定性についても検討を行った。実用的なアミドの加水分解スピードを持つ化合物は得られなかったが,本研究成果により新しい人工機能性分子(遺伝子情報制御分子や自己集積型の水溶性超分子など)を見い出すことができた。人工酵素(環境触媒)の実用化については今後も検討を行っていく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Eiichi Kimura: "Selective and Efficent Recognition of TpT by Big(Zn-cyclen) and TpTpT by tris(Zn-cyclen) at Neutral pH in Aqueous Solution"Chemistry-A European Jounal. 5. 3113-3123 (1999)

  • [文献書誌] Eiichi Kimura: "Dynamic Enolate Recognition in Aqueous Solution by Zinc(II) in a Phenacyl-Pendant Cyclen Complex: Implication for the Role of Zinc(II) in Class II Aldolases"J. Am. Chem. Soc.. 121. 1267-1274 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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