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1999 年度 実績報告書

日本海重油流出事故による環境汚染のモニタリングと汚染環境試料の毒性評価

研究課題

研究課題/領域番号 10672106
研究機関金沢大学

研究代表者

木津 良一  金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (80143915)

研究分担者 早川 和一  金沢大学, 薬学部, 教授 (40115267)
キーワード重油 / 流出事故 / 油汚染 / 海洋汚染 / 土壌汚染 / 多環芳香族炭化水素 / 変異原性 / 内分泌撹乱作用
研究概要

昨年度までの研究に引き続き、本年度は日本海重油流出事故から2年後における石川県内における漂着重油の残存状況を調査するとともに、残存重油及び重油汚染環境試料中の多環芳香族炭化水素(PHA)濃度の変化及び内分泌撹乱作用(女性ホルモン系)を検討した。1999年4月上旬から下旬にかけて石川県下の海岸における重油残存状況の調査を行ったところ、重い重油汚染が続く地点数は昨年度に比べて1/4程度にまで減少しており、事故から2年を経過して漂着重油の自然浄化(海水・波による洗浄、光分解、微生物分解など)が進んでいる一方依然として多量の重油が残存する地点も多く残っていることが明らかになった。重油が残存している地点は、岩・石・礫で構成され湾上の形態をとっている海岸に多く、このような地点は自然浄化の効果が小さいことが推測された。残存重油中のPAH濃度については有意な現象は見られなかったが、漂着重油が見られなくなった海岸では海岸砂や海水中のPAH濃度は検出下限付近まで減少しており、周辺環境では化合物レベルでも汚染の改善が進んでいることが分かった。内分泌撹乱作用に関しては、重油のアルコール抽出物について培養細胞系を用いて女性ホルモン系(エストロゲン/抗エストロゲン作用)に及ぼす影響を評価した。その結果、重油抽出物は抗エストロゲン作用を示すことが明らかになった。また、これらの作用は重油中のPAHに基づき、その作用機構としてはPAHがアリル炭化水素受容体に結合してこれを活性化し、活性化したアリル炭化水素受容体がエストロゲン受容体およびアンドロゲン受容体の各シグナル伝達系に阻害的に作用することが推定された。

  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] Ryoichi Kizu: "A New Orally Active Antiumor 1R, 2R,-Cyclohexanediamine-Platinum (IV) Complex : trans- (n- Valerato) chloro (1R, 2R-cyclohexanediamine)(oxalato) platinum (IV)"Cancer Chemotherapy and Pharmacology. 43. 97-105 (1999)

  • [文献書誌] 木津良一: "重油のエストロゲン作用とその評価法"分析化学. 48. 617-622 (1999)

  • [文献書誌] 早川和一: "化学発光検出HPLCを用いた発癌性ニトロアレーンの大気内挙動と毒性に関する研究"Chromatography. 20. 37-43 (1999)

  • [文献書誌] Tsuyoshi Murahashi: "2-Nitrofluoranthene, 1-, 2- and 4-Nitropyrenes and 6-Nitrochrysene in Diesel-Engine Exhaust and Airborne Particulates"Journal of Health Science. 45. 244-250 (1999)

  • [文献書誌] Nariaki Takayama: "HPLC Study on Effects Permanent Wave, Dye and Decolorant Treatments on Methamphetamine and Amphetamine in Hair"Biomedical Chromatography. 13. 257-261 (1999)

  • [文献書誌] Hitoshi Kakimoto: "Comparison of Atmospheric Polycyclic Aromatic Hydrocarbons and Nitropolycyclic Aromatic Hydrocarbons in Kanazawa, Sapporo and Tokyo"Journal of Health Science. 46. 5-15 (2000)

  • [文献書誌] Kazuichi Hayakawa: "Comparison of Polycyclic Aromatic Hydrocarbons and Nitroploycyclic Aromatic Hydrocarbons in Airborne and Automobile Exhaust Particulates"Polycyclic Aromatic Compounds. In Press. (2000)

  • [文献書誌] Ryoichi Kizu: "Antiandrogenic Effect of Crude Extract of C-Heavy Oil"Materials Science & Engineering C. In Press. (2000)

  • [文献書誌] 木津良一: "衛生薬学"廣川書店. 429 (1999)

  • [文献書誌] 木津良一: "薬学生のための臨床化学"南江堂. 227 (1999)

  • [文献書誌] 木津良一: "最新機器分析学"南山堂. 376 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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