研究概要 |
本研究の対象とした海綿とソフトコーラルのうち、今年度は主にソフトコーラルについてその成分の変動についての比較研究を進めた。ソフトコーラル分類の専門家と協議した結果、種類が多く形態的分類と含有成分との関係があいまいなウミキノコSarcophyton属を対象として選んだ。 沖縄本島沿岸を中心に採集したサンプル(S.ehrenbergii,S.glaucum,S.trocheliophorumその他の種類と思われる)を一部は標本同定用にホルマリン処理して保存し、残る半分をアセトンで抽出した。抽出物は前処理(ろ過および逆相ゲル)を施した後、今回の研究費で購入したグラジエントHPLCを用いて分離分析した。出てきた主な成分のNMRとMSを測定することにより、Sarcophyton属および他のソフトコーラル類からすでに報告されているいくつかの代表的なセンブラン類を同定した。現在、それぞれの骨片と形態的な特徴から種の同定を依頼しており、含有成分との関係について検討しているところである。 さらに同時に採集した海綿Dysidea cf. arenaria,Thenella swinhoei,Theonella sp.,Haliclona sp.,Epipolasis kushimotoensis,Dysidea herbacea,Hyrtios sp.についても標本を集めており、その成分の比較検討を行っている。
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