研究課題/領域番号 |
10672114
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境系薬学
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
福井 哲也 星薬科大学, 薬学部, 教授 (90111971)
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研究分担者 |
渡辺 聡 星薬科大学, 薬学部, 助手 (10139397)
高橋 典子 星薬科大学, 薬学部, 助教授 (50277696)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 酸化的ストレス / 胎盤エキス / 有機塩素化合物 / liver injury / trichloroethylene |
研究概要 |
(1)胎盤エキスが強い抗酸化活性を示すことを明らかとし、デオキシリボース法で測定した結果、胎盤エキス0.2mg/mLのラジカル捕捉作用は、既知のラジカル捕捉物質であるマンニトール0.5mMおよびビタミンC0.4mMに相当することを認めた。胎盤エキス中の抗酸化活性成分をゲルろ過および逆相HPLCで精製し、NMRスペクトルを測定した結果から、L-Phe、L-Tyr、L-Trpおよびウラシルと同定した。この抗酸化活性成分はいずれも、in vitroの実験系ではDMSOやマンニトールより強力なヒドロキシラジカル消去作用を示し、さらにt-BuOOHで誘導されるラット肝ミクロソームのチトクロームP-450依存性脂質過酸化反応、およびFenton反応による蛋白質の酸化反応を抑制することを認めた。また、これらを前投与することにより、エタノールの投与によるマウスの急性肝障害の発生と酸化的ストレスの誘発が抑制された。 (2)トリクロロエチレン(TCE)をマウスに投与し、酸化的ストレスのパラメーターおよびペルオキシソーム量を測定したところ、肝臓での酸化的ストレスの誘発とペルオキシソームの増加の間に有意な相関関係を認めた。TCEを投与する前に植物由来の抗酸化物質であるクルクミンを投与しておくと、TCEによるペルオキシソームの増加および酸化的ストレスのパラメーターの変動がいずれも濃度依存的に抑制されたことから、TCEによる肝臓の酸化的ストレスが抗酸化物質のクルクミンにより抑制されることを認めた。また、クルクミンはTCEによる酸化ストレスの誘発に対して、ペルオキシソームの増加を抑制し、さらに抗酸化酵素活性の低下を抑制して、抑制作用を示すことが示唆された。
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