1.平成12年度、九州大学医学部4年次学生を対象に行われる「臨床医学基本実習」において、学生は、基本的臨床技能を学習し、実技試験(OSCE)による評価を受けた。統合教育研究実習センター(以下センター)はその準備、実施過程、学習評価を系統的に援助しつつ、学生、指導教官、模擬患者を対象に質問紙で調査し評価した。 2.平成12年度、5年次学生に行われる「臨床医学実習」(BSL)において、学生は各臨床科の診療チームへ参加し、研修医の下働きをしながら、受け持ち患者を対象に毎日の診療業務、水準Iの医行為、POMRの作成、症例の発表呈示等を行い、基本的知識、問題解決能力、臨床技能、対人態度、病院内・病棟内システム等を学習する実習を行った。センターはその準備、実施過程、学習評価を系統的に援助した。学生、指導医を対象に調査した。調査結果の集計と分析作業の補助のために経費を使用した。調査結果に基づき、指導の手引きを充実改善した。 3.平成11年度より導入されたクリニカルクラークシップにおいて、6年次学生は4〜6週間一定の科に配属され、診療チームに入り、新規入院患者を受け持ち、水準II以内の医行為を行った。学生、指導医等を対象に、情報収集、情報提供、問題抽出と評価、当事者間の連絡調整、法的問題点についての検討等を行った。病院職員などへの調査はできなかった。情報収集は質問紙法、学習評価表等で行った結果、(1)実習はほぼ当初のイメージ通り行われ、(2)学生は研修医の下働きまたは副主治医として病棟業務に参加したことがわかったが、(3)受け入れ体制上の諸問題が指摘された。学習の手引きと指導の手引きの試行版制作は今後の課題として残った。以上述べた準備、実施の援助、調査と評価等のセンター機能について検討した。
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