1.平成10〜12年度、4年次学生の「臨床医学基本実習」において、学生は、基本的臨床技能を学習し、実技試験(OSCE)による評価を受けた。統合教育研究実習センター(以下センター)はこの実習を系統的に援助しつつ、学生、指導教官、模擬患者を対象に質問紙で調査し評価した。調査結果を報告書「臨床医学基本実習の導入と評価」にまとめ、関係者へ配布した。2.「臨床医学実習」(BSL)において、5年次学生は各臨床科に1〜2週間配属され、研修医の下働きをしながら、病棟業務参加型実習を行った。センターは学習の手引きと指導の手引き作成、指導教官のワークショップ等を通じて系統的に援助し質問紙調査を行った。その結果、学生の積極性には大きな差異がみられた。特に、少人数講義への要求は根強く、診療チームへ入りにくい状況を克服する必要性が感じられた。学生が記入した診療録の監査(指導)については診療科によって取り組み方に大きな差があった。しかし、POMRの記載方法についての学生の理解は実習中に確実に進んでいることがわかった。また、指導医側では法律上の責任についての説明が必要であった。3.平成11年度より導入されたクリニカルクラークシップにおいて、6年次学生は、診療チームに入り、新規入院患者を受け持ち、水準II以内の医行為を行った。平成11年10月、各診療科の担当指導医による学内ワークショップを開催し、問題点を検討した。学生、指導医等を対象調査した結果、(1)実習はほぼ当初のイメージ通り行われ、(2)学生は研修医の下働きまたは副主治医として病棟業務に参加したことがわかったが、(3)受け入れ体制上の諸問題が指摘された。
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