研究課題/領域番号 |
10672134
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人類遺伝学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
呉 繁夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10205221)
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研究分担者 |
大浦 敏博 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10176828)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | glyicme decarboxylase / Alu repeats / non-ketotic hyperglycimemia / deletion / homalogaus recombination |
研究概要 |
一過性非ケトーシス型高グリシン血症(transient nonketotic hyperglycinemia : NKH)患者と重症型NKH患者の両グリシン脱炭酸酵素遺伝子の中に、第1エクソン上流から第3イントロンの大部分を含む大きな欠失(50kb以上)が存在することを見いだした。この欠失は、様々な人種で共通に認められ日本人、フィンランド、白人患者の変異アレルのそれぞれ25%、23%、20%を占める。更にこの欠失を持つ患者を詳細に検討した結果、一過性高グリシン血症患者のGLDC遺伝子には他に遺伝子変異はなく、欠失のあるアレルのもう一方は正常アレルであることが判明した。従って、一過性高グリシン血症はGLDC遺伝子のhet eroinsuficiencyが基盤にあると考えらる。中枢神経系で生理的にグリシン濃度が高まる新生児期にグリシンの分解能力の低いこれらの新生児が発症するものと考えられた。NKHの両親は保因者であり、GLDCのヘテロ接合体であるが、必ずしも一過性高グリシン血症を発症するわけでない。このことは、一過性NKH発症の背景にはもう一つ未知の要因が関係しているものと考えられる。一方、重症型NKH患者ではもう一つのアレルに他の遺伝子変異を伴う事から、GLDC遺伝子の機能が失われ発症するものと推察された。他の遺伝子変異として、ミスセンス変異、ナンセンス変異、微小欠失など全部で26種類の遺伝子変異が現在までに同定されている。
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