研究課題/領域番号 |
10672142
|
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
松原 和夫 旭川医科大学, 医学部, 教授 (20127533)
|
研究分担者 |
上園 崇 旭川医科大学, 医学部, 助手 (70294387)
清水 恵子 旭川医科大学, 医学部, 助手 (90312462)
|
キーワード | パラコート / セフォリス / 血液脳関門 / ブレインマイクロダイアリシス / アミノ酸輸送系 / 腎障害 |
研究概要 |
1.パラコートの中枢移行性とその能動輸送系の研究 ラット線条体においてマイクロダイアリシスを行った。本法の妥当性を確認するため、MPP+を同様に投与した。また、パラコート投与後にMPP+を投与し、パラコートの血液脳関門に与える影響を観察した。細胞外液中濃度は、用量依存的であった。マイクロダイアリシス法による薬物の血液脳関門透過性の研究は、MPP+の非透過性から妥当な手段と考えられる。この透過機構は、パラコートによる血液脳関門の器質的障害に基づくものではなく、能動輸送系を介するものと考えられる。バリンによってパラコートの血液脳関門透過が阻害されたことから、中性型アミノ酸輸送系の関与がパラコートの血液脳関門透過に関与していることが示唆された。 2.セフォリス〔ウィンセフ〕の血液脳関門透過性と腎障害の影響 セフォセリスでは、透析患者や腎不全患者において中枢神経障害の発症例が多く報告されている。しかし、β-ラクタム系抗生物質の血液脳関門透過性を評価した報告は少ない。そこで、血液脳関門透過性を、ブレインマイクロダイアリシス法を用いて評価を行った。更に、腎不全モデルラットを作成し、腎不全時のセフォセリスの血液脳関門透過性に与える影響について検討を行なった。ラット線条体においてマイクロダイアリシスを行った。腎不全モデルラットは、硝酸ウラニルによって作成した。セフォセリスは、用量依存的に投与後、速やかに潅流液中に検出された。血中/脳内細胞外液濃度の比較から、セフォセリスの血液脳関門透過性は高い値であった。腎不全モデルラットでは、血液中濃度、脳内細胞外液濃度ともに上昇した。これは、腎機能の低下に伴う、セフォセリスの血漿中濃度半減期の延長によるものであることが示唆された。
|