研究課題/領域番号 |
10672150
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
水口 和生 徳島大学, 医学部付属病院, 教授 (30284326)
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研究分担者 |
吉栖 正典 徳島大学, 医学部, 助手 (60294667)
清水 英治 徳島大学, 医学部, 講師 (50187449)
芳地 一 徳島大学, 医学部付属病院, 助教授 (00219156)
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キーワード | 副腎クロマフィン細胞 / 興奮性細胞 / カルシウム排出 / 高血圧治療薬 |
研究概要 |
カテコールアミンニューロンのモデルである副腎クロマフィン細胞は、絶えず刺激を受け、開口分泌の様式でエピネフリンを放出している。この開口分泌におけるCa^<2+>の必要性については論を異にすることはない。しかしながら、細胞内に上昇したCa^<2+>の動態とくに正常レベルへの回復過程については何ら知られていない。そこで本研究は、刺激分泌後に惹起されると考えられる細胞からのCa^<2+>の排出機構について検索すると共に、細胞からのCa^<2+>の排出を調節する薬物が従来の高血圧治療薬と異なり新規高血圧治療薬と成りえる可能性を探索するものである。 私達は、培養ウシ副腎クロマフィン細胞を用いて、生理活性物質であるエンドセリン(ET-1)が細胞からのCa^<2+>排出を濃度依存的に惹起することを見い出した。このCa^<2+>排出は、エンドセリンET_B受容体を遮断することにより抑制された。ET-1は、細胞内遊離Ca^<2+>濃度、^<45>Ca^<2+t>取り込み及びカテコールアミン分泌を増加した。また、ET-1刺激により一酸化窒素(NO)及びcGMPレベルが上昇した。ET-1によるCa^<2+>排出は、細胞外液Na^+濃度に依存していた。 以上の成績からET-1によるCa^<2+>排出は、エンドセリン受容体を刺激したことにより惹起され、一酸化窒素(NO)/cGMP系を介したNa^+/Ca^<2+>交換反応が関与していることが示唆された。現在、エンドセリン以外にも同様な作用を有する物質の探索を行っている。
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