研究課題/領域番号 |
10672160
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
堀田 芳弘 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (40109757)
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研究分担者 |
村上 英嗣 愛知医科大学, 医学部, 講師 (80131225)
矢島 道夫 愛知医科大学, 医学部, 講師 (50065596)
石川 直久 愛知医科大学, 医学部, 教授 (80109321)
川井 範夫 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (50095535)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | Ischemia-reperfusion injury / ^<31>P-NMR / Fluorometry / EPR / Myocardial mitochondria / eNOS / Na-H exchange inhibitor / NO-releasing drug |
研究概要 |
心筋収縮力とMitochondria(Mito)機能の関係を主に検討した。 1.Langendorff心臓(LN心臓)の灌流停止による急性ポンプ不全、再灌流による高エネルギーリン酸、電解質の変化をNMR、Fluorometryにより非踏襲的に測定した。Na-H交換阻害薬(NHI)の投与で再灌流後の収縮力(LVDP)の回復力は、80%(control 30%)の高値を示し、虚血後半のCa増大を抑制し、ATPの存在を認め、再灌流中の回復も早かった。これらより虚血再灌流障害に、Mito機能の重要性を認めた。 2.Mito内Ca(Cam)増大はNO precursor,L-Argにより調節機序が働いている様に抑制された。そこでMitoタンパクのWestern blot法を行いeNOSの存在を確定した。このNOSは虚血再灌流時に重要であるとの結果を得た。更にMitoへのNOSの組み込み、分布を抗体電顕測定の結果、イオン動態に関する内膜に存在することが明確となった。 3.灌流Fura-2(Ca感受性)負荷Mito標本で高濃度処理後の生理濃度外液Ca、外液pH変化によりCamは急上昇し、Mitoレベルでの虚血再灌流障害を示している。この時に発生する・O_2^-、NO・の発生をEPRで確認し定量した(Eur J Pharmacolに報告)。これらの上昇はLN心臓において回復力の改善を示した薬物(NHI,NO放出剤など)で抑制した(Mol Cell Biochem等2報に報告)。 4.NO電極(科研費で購入)によりLN心臓で心拍に同期したTransient NO・を測定することができ、その大きさはL-Argで増大、NOS阻害剤で減少した。この方法を虚血再灌流中に応用し、どの時点でNOSが活性化するかCa^<2+>と共に測定し、NO放出剤FK409のLVDP回復の増大効果と共にまとめJ Cardiovasc Pharmacolに投稿中である。 5.抗虚血作用を示し、紅花から得られた5HT誘導体、5HT2-blocker等が害作用を示す特定の酸素radicalのみ消去することがEPR(私学助成で購入)で認められた(薬理年会発表予定)。虚血再灌流中に保護作用を示したNO・が特定の活性酸素種とどの様に関連しているのか生体用のEPRでradicalの経時変動を測定し、急性心収縮力低下や随伴する細胞壊死とMito機能との関係を、H^+を中心にATP産生、Ca^<2+>などの電解質動態、電子伝達系における関係などから明らかにしたい。
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