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1998 年度 実績報告書

脳虚血および低酸素障害時における海馬でのヘムオキシンゲナーゼの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 10672162
研究機関京都薬科大学

研究代表者

谷口 隆之  京都薬科大学, 薬学部・病態生理学, 教授 (10111957)

キーワード一過性前脳虚血 / カイニン酸 / 海馬 / 酸化ストレス / ヘムオキシゲナーゼ / ビリベルジン / ミクログリア / アストロサイト
研究概要

ミクログリアおよびアストロサイトなどグリア細胞は、神経細胞に比較し細胞死が起きにくいことが知られている。脳障害時に異常に活性化したグリア細胞は誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)を発現し、細胞死を引き起こすNOを大量に産生し、神経細胞死を引き起こす。しかしながら、グリア細胞はほとんど死に至らない。一方、強力な生体内抗酸化物質としてビリベルジンが知られており、その産生酵素としてヘムオキシゲナーゼが知られている。そこで、ヘムオキシゲナーゼに着目し解析した。ラット海馬に細菌内毒素リポポリサッカライド(LPS)およびインターフェロンγ処置するとiNOS発現・NO産生が起こる。その後、誘導型ヘムオキシゲナーゼ(HO-1)がグリア細胞で発現されることが明かとなった。また、ラットは一過性前脳虚血およびカイニン酸処置により海馬の遅発性神経細胞死が引き起こされることがよく知られている。この脳障害時でもグリア細胞は、HO-1を過剰に発現していた。以上のことから脳障害時に、ミクログリアおよびアストロサイトなどグリア細胞は、HO-1を発現するため酸化ストレスに対して耐性を獲得し、細胞死を回避することが推定された。
さらに、グリア細胞におけるHO-1誘導機構を培養グリア細胞を用いて解析した。LPSによるHO-1誘導はNOS抑制薬(NMAおよびNNA)により抑制されること、さらにNOドナー(SNAP)単独でHO-1誘導されることから、NOによってHO-1誘導が起こることが明かとなった。しかしながら、カイニン酸処置ではNO産生は起きないことから、他の経路の活性化が推定される。この点については、現在検討中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Yoshihisa Kitamura: "In vitro and in vivo induction of heme oxygenase-1 in rat glial cells : Possible involvement of nitric oxide production from inducible nitric oxide synthase." Glia. 22・2. 138-148 (1998)

  • [文献書誌] Yoshihisa Kitamura: "Induction of inducible nitric synthase and heme oxygenase-1 in rat glial cells." Life Sciences. 62・17/18. 1717-1721 (1998)

  • [文献書誌] Yasuji Matsuoka: "Kainic acid induction of heme oxygenase in vivo and vitro." Neuroscience. 85・4. 1223-1233 (1998)

  • [文献書誌] Yasuji Matsuoka: "Induction of heme oxygenese-1 and major histocompatibility complex antigens in transient forebrain ischemia." Journal of Cerebral Blood Flow and Metabolism. 18・8. 824-832 (1998)

  • [文献書誌] 松岡 康治: "一過性前脳虚血におけるヘムオキシゲナーゼの誘導:虚血性神経細胞死" 山嶋哲盛編:サイメッド・パブリケーションズ社, 5頁(総頁数:190) (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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