EDTA採血した検体を用いて細胞内サイトカインの測定法を確立した。全血をIonomycin1μg/mlおよびPMA25ng/mlで4時間刺激し、同時に細胞内輸送の阻害剤であるBrefeldinAを10μg/ml加えておくと、産生されたサイトカインが細胞外に分泌されず細胞内に蓄積する。PerCP標識モノクローナル抗体で細胞表面抗原を染色後、溶血。さらに薬剤で細胞膜の透過性を増加させ(permeabilize)抗サイトカインモノクローナル抗体(抗IL-4、抗IFNγ)を反応させてフローサイトメーターで測定した。EDTA血を20%FCS加RPMI1640で2回洗浄して用いることにより、EDTA血を用いて細胞の活性化細胞内サイトカインの測定が可能であった。活性化処理により溶血にくくなるので、溶血操作を2回行った。細胞表面抗原と細胞内IFNγ、IL-4の同時測定によりTh1/Th2、Tc1/Tc2の解析が可能であった。こうして得られたTh1およびTh2、Tc1およびTc2比率はヘパリン血を用いたデータとも良好な相関を示したが、ヘパリン血による値より高い値が得られる傾向があった。 臨床応用として、骨髄異形成症候群(MDS)と伝染性単核球症(IM)を検討した。MDS4例ではサイトカイン産生能の低下は見られなかった。IM患者では健常人に比べTh1およびTc1優位であった。
|