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1998 年度 実績報告書

白血病細胞における抗腫瘍剤耐性の遺伝子診断に関する研究:遺伝子不安定の解析による耐性の分子機構の解明と診断への応用

研究課題

研究課題/領域番号 10672186
研究機関東海大学

研究代表者

宮地 勇人  東海大学, 医学部, 助教授 (20174196)

キーワード白血病細胞 / 抗腫瘍剤耐性 / 遺伝子変異 / 遺伝子不安定性
研究概要

抗腫瘍剤耐性の分子機構の背景にある細胞側因子を知るため、本研究では、株化培養白血病細胞MOLT-3から葉酸拮抗剤trimetrexate(TMQ)に耐性の細胞を作製し、マイクロサテライト不安定性をクローナル解析し、耐性遺伝子変異との関係から、耐性機構における遺伝子不安定性の意義を考察した。
TMQ耐性のMOLT-3細胞を作製する際、ヌクレオチド不均衡をもたらす過剰なチミジン(10μM)供給の有無の耐性機構への影響を調べた。TMQ耐性MOLT-3細胞からメチルセルロース培養にて作製した全ての耐性細胞亜株にジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子のコドン31の点変異(TTC→TCC)が検出された。チミジン供給下に作製した耐性細胞の亜株にのみ多剤耐性遺伝子(MDRI)mRNA発現がみられた。MDR1mRNA発現は、DHFRコドン31の点変異に続いて起こり、両者で異なる発現調節機構が示唆された。
マイクロサテライト反復配列(mfd27、mfd41)のPCR解析から、耐性細胞亜株に遺伝子不安定性の存在と、その多剤耐性成立への関与が示唆された。MDR1を介する耐性は、耐性成立後も流動的で、耐性細胞の選択の原動力として、遺伝子不安定性を背景としてクローン性増殖が示唆された。チミジン供給下に作製したTMQ耐性のMOLT-3細胞にみられる、複数の耐性遺伝子変異、遺伝子不安定性、治療後のクローシ性増殖などの特徴は、臨床でみられる耐性のモデルとなると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Miyachi Hayato,et al.: "Microsatellite instability and clonal heterogeneity of MORI messenger RNA expression in trimetrexace-resistant human leukemia MOLT-3 cells developed in thymidine" International Journal of Cancer. 69 印刷中. (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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