研究概要 |
FcγRIIIBのgenotypeをPCR法で同定したところ、正常者ではNA(1+2-)が104例(23.9%)、(1+2+)が268例(61.5%)、(1-2+)が64例(14.7%)であったのに対し、RA患者ではそれぞれ55例(41.0%)、66例(49.3%)、13例(9.7%)と、NAl型の優勢が認められた。さらに、NA(1-2+)では、Stage 1,2の患者が多いのに比べ、NAl型では、Stageの進行した患者が優勢であった。一方、OA患者ではそれぞれ6例(24.0%)、14例(56.0%)、5例(20.0%)と、NA2型の優勢傾向が認められ、何等かの遺伝的関与が示唆された。FcγRIIIAのgenotypeは、測定した全例が標準型の48-Lであった。FcγRIIAのgenotypeは、正常者では131(H+R-)が230例(61.3%)、(H+R+)が138例(36.8%)、(H-R+)が7例(1.9%)であったのに対し、RA患者ではそれぞれ98例(72.6%)、36例(26.7%)、1例(0.7%)と、131-H型の優勢が認められた。また、OA患者でもそれぞれ19例(76.0%)、6例(24.0%)、0例と、131-H型の優勢傾向が認められ、何等かの遺伝的関与が示唆された。 現在、FcγRIIA、IIIAのgenotypeの同定の為のPCR法を検討中である。さらに、例数を増やすとともに、RA患者の追跡調査、HLA-DRとの比較ならびに自己免疫疾患の対象としてSLE患者でも測定する予定である。
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