研究課題/領域番号 |
10672196
|
研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
佐々木 明子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教授 (20167430)
|
研究分担者 |
高崎 絹子 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (50100607)
浅川 典子 埼玉県立大学, 短期大学部, 講師 (00310251)
山田 晧子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (00261678)
中崎 啓子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (50264825)
大島 義彦 山形県立保健医療短期大学, 教授 (30018832)
|
キーワード | 在宅療養高齢者家族 / 在宅療養高齢者 / 肯定的介護意識 / 介護負担感 / 介護対処行動 / 肯定的介護体験 / 介護破綻予防 / 介護継続意志 |
研究概要 |
1.目的:家族介護者に対する効果的な支援方法を考えるために、わが国の在宅療養高齢者の介護者の肯定的意識を把握し、スウェーデン、イギリスとの比較検討を行った。 2.対象と方法:1999年に実施した、日本の65歳以上の在宅療養高齢者の介護者に対して、訪問面接調査により得られた102人の結果と、スウェーデン、イギリスの介護者調査との比較検討を行った。肯定的介護意識は、日本版満足度指標Carers'Assessment of Satisfaction Index(CASI:Nolan and Grant1992)30項目を使用した。 3.結果:1)介護者の平均年齢は、62.6歳で、高齢者の平均年齢は82.5歳であった。2)介護満足度指標は、(1)被介護者に関係する項目、(2)介護自身に関する項目、(3)人と人との関係に関する項目に分類された。(1)被介護者に関する項目では、「介護により高齢者がみぎれいで清潔なのはよい」(99%)、「高齢者の尊厳を保つことは重要である」(92%)の項目が日本では高く、スウェーデン、イギリスも同様であった。(2)介護者に関する項目では、日本では他の2国に比べ、割合が高かった。特に「介護により必要とされていたり、望まれていると感じる」(91%)「自分自身を試し困難に打ち勝つことができる」(83%)などが高かった。(3)人と人の関係に関する項目では、スウェーデンやイギリスに近い項目もあったが、「介護は家族の絆や関係をより深める」は、日本が最も高かった。 4.結論:介護の肯定的意識は、わが国でもヨーロッパ諸国と同様、介護に関する熟達や自己成長、及び家族関係の強化などがみられた。介護体験を肯定的側面からみると共に、肯定的意識を助長する地域ケアシステムを構築することが介護者の支援に有効であることが示唆された。
|