研究分担者 |
別所 遊子 福井医科大学, 医学部, 教授 (20190176)
高橋 幸枝 日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 教授 (40316310)
影山 セツ子 日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 教授 (00290479)
長谷川 美香 福井医科大学, 医学部, 講師 (90266669)
細谷 たき子 福井医科大学, 医学部, 助教授 (80313740)
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研究概要 |
平成10-11年度にわたって二つの訪問看護における看護業務分類のための基礎的調査を実施した。 10年度に実施したのは,訪問看護ステーションにおける看護活動の実態調査であり,その目的は,訪問看護婦の思考過程の実施,看護問題と看護介入の範囲を明らかにすることであり,主として業務内容と頻度,およびそれらの判断根拠となる看護問題との関連性を問うものであった。回答は202施設の訪問看護婦523名からえられた。看護介入は,日常生活のケアではクライエントの身体清潔保持が中心であり、問題は健康関連行動領域,皮膚など生理的領域が多い。身体的ケアでは,バイタルサイン評価,排便・排尿の調査,脱水・浮腫の症状のケアが多く,問題は,呼吸,循環,消化・水分調節など生理的領域が多い。心理・行動的ケアでは,睡眠,服薬,感染防止のケアが多く,問題は薬剤管理などの健康関連行動領域,痒通など生理的領域,そして情緒の安定など心理・社会的領域に同程度に存在した。 11年度は,看護の成果とそのケア内容を明らかにすることを目的として,前年度の調査結果から主疾患として最も多い脳血管疾患に対象者を限定し,65歳以上の身体的状態としては落ち着いた状況にある82名について,開始時の状態と2ヶ月後予測される状態,および2ヶ月後の終了後に看護内容と目標達成度を追跡調査した。目標とケア内容との関連では,特に循環のケア,リハビリテーション,身体の症状/徴候の3つのケアは,どの看護目標にも関連して高頻度で実施されていた。利用者・主介護者双方の状態にそれほどの大きな変化はなく,概ね予測通りの経過であったと言えよう。 両調査から訪問看護婦の業務について豊富なデータがえられたので,業務分類策定を次の課題としていきたい。
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