保健婦の行うヘルスプロモーションを推進するための方法論を明らかにするため、今年度は昨年度調査したグループに加え、新たに1つ健康活動を中心に行っているグループの追加のインタビューを行った。追加したグループは70歳代の男性が主催するグループで、活動開始は昭和58年からで、昨年調査したグループと同時期である。きっかけ・活動方法・内容とも昨年のグループと類似していた。その後、この男性は共同作業所開所への活動を実施しているが、活動は他のグループのリーダーやメンバーと別の流動的なグループで行い、この健康学習グループ全体の活動とはなっていない。保健婦関与の健康学習グループ活動は福祉のグループとは違い、グループ全体で地域の問題を解決する方向とは成らず、問題解決のための活動は流動的なグループでなされることが明確になった。 今年はまた、昨年インタビューした健康学習グループの加入者に対して本人のセルフケアが実施されているか、健康の情報源は何か地域の健康問題への関心のあり方、健康グループの活動に対して意見等を調査した。また、このグループの対照群としてこのグループが活動拠点としている健康相談所の節目健診来所者に対してもほぼ同様の内容の調査を行った。健康グループでは郵送調査、健診来所者には趣旨説明後手渡しし郵送で回収した。回収率は健康グループ78%、健診来所者64%であった。結果については現在解析中である。 また、練馬区の健康グループと行政側とが同じテーブルについて話し合うコミュニティ・ミーティングに参加し、状況を観察したことから、健康グループの政策関与方法について分析し、今後考察する予定である。
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