研究課題/領域番号 |
10672208
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小西 美智子 広島大学, 医学部, 教授 (20161961)
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研究分担者 |
寺岡 佐和 広島大学, 医学部, 助手 (60325165)
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キーワード | 行政機関の保健婦 / 在宅療養高齢者 / 難病患者自助グループ / 介護支援専門員 / 介護保険適用外在宅サービス / 関係者間の調整 / 対象者のニーズ |
研究概要 |
1.H県における難病患者自助グループの育成に保健婦がどう関わったかを15名のグループリーダーに面接調査した。その結果グループの過程は準備期、基盤形成期、主体的活動期の3期があり、保健婦はその過程において、1)保健事業や職種間の連携をとうしてニーズのある者を発見し、2)肯定的な感情体験を促しストレスの浄化を図ったり、3)健康管理をする、4)ニーズの表出を助け行動の主体性を促し、5)社会資源の情報を提供し、6)日常生活において楽しみを見いだす機会を提供し、7)難病患者としての体験を活用させる生活を支援していた。このように保健婦は、保健事業をとうして患者間の連携が高まるように支援しグループを育成していた。 2.H市において介護保険実施後の行政機関保健婦の役割を明らかにするために、介護保険導入前から訪問指導し、導入後も継続して1年〜7ヶ月間関わった在宅高齢者5名について、保健婦の役割を分析した。その結果対象者の療養生活及び家族の介護ニーズを本人以外に、介護支援専門員、民生委員、社会福祉協議会の職員、又は家族のキーパーソンから情報収集し、特に医療に関する情報については主治医と面接し、心身の状況、服薬管理について指示、助言、指導を得ていた。これらの情報を在宅高齢者に関わる介護支援専門員に伝え、介護支援専門員がスタッフと情報を共有し、ケアプランを作成又は修正できるように相談・助言していた。また保健婦はケアカンファレンスやサービス担当者会議に出席し、地域内にある介護保険適用施設や適用以外の在宅支援サービス等の社会資源について説明していた。特に介護保険適用以外の在宅支援サービスの利用が必要な者には、保健婦が導入の連絡や調整を行っていた。介護申請に関すること、更新認定時期及び介護保険に関する事は保険者として説明を行っていた。同時に行った介護支援専門員へのアンケート調査から、この保健婦が行ったコーディネートは介護支援専門員の質を高めるためにも必要であることが解った。
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