本研究は、10数年以上の活動経過によって成果を上げている活動事例について、保健婦(士)の戦略的かかわりと、住民の主体性形成、住民の健康生活の変容との関連から、保健婦の活動プロセスの構造を明らかにすることを目的としている。 本研究における調査は保健婦(士)の認識から活動成果と活動方法の構造を明らかにする一次的調査と活動成果に関して多角的に追跡する二次的調査を計画した。 本年度は、一次的調査および二次的調査内容の検討として、15年以上の活動経過によって成果を上げている活動事例4事例について、活動の経過、保健婦(士)が捉えている活動の成果、活動方法の特徴、活動のねらい、住民の反応・変化、共同職種の範囲とかかわりの内容、活動の軌道修正、地域の特注を検討した。また、2活動事例では、活動に関わる一般住民、地区内の健康づくりの中核的住民に対する予備調査を実施した。 その結果、地区を基盤とする看護活動方法の全体像の構造化に向けて、経年的に保健婦(士)活動を拡大し発展させていく基礎となる実績は、その活動に関与した中核的な住民の活動意識の変化過程と関連での分析することが有効と示唆された。 次年度は、保健婦(士)に対する面接調査(一次的調査)の事例追加と、活動場面の参加観察など活動成果に関する住民に対する調査(二次的調査)を行う計画である。
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