研究概要 |
ユイマールと高齢者介護に関する一般の人の意向を把握することを目的に、沖縄県の離島を含む5町村においてアンケート調査を行った。沖縄県北部の大宜味村(人口3,479人)、南部の佐敷町(人口11,381人)と具志頭村(人口7,560人)、中部の中城村(人口14,470人)及び離島の座間味村(人口1,063人)において40歳から79歳の人を無作為に約1/4抽出(座間味村は全数)し郵送法(大宜味村は留め置き法)による調査を実施した。調査内容は性、年齢、職業、所属グループ、ユイマールのイメージやユイマールでやれそうなこと、介護経験、介護内容、介護のやりとりなどである。アンケートを配布した4,161人のうち1,437人(回収率34.5%)から回答が得られ有効回答数1,370人(男627人;45.8%、女743人;54.2%)について分析した。 ユイマールについて5地域とも良いイメージを持っている人が85%前後を占め、ユイマールの意味については助け合いと答えた人が60%前後と最も多く、介護面でユイマールでやれそうなことは声かけ(55.0%)、庭掃除(30.2%)、買い物(26.0%)、送迎(19.3%)、食事を作って届ける(12.4%)の順となっていた。 介護面でユイマールが機能していると答えた人は大宜味村(33.7%)が最も多く、具志頭村(19.9%)、座間味村(19.2%)、佐敷町(14.2%)と続き、中城村(8.2%)は最も少なくなっていた。また、介護経験者のうち近隣と介護のやりとりがあったのは大宜味村(69%)が最も多く他4地域は40%前後であった。 これらの結果は前年度に実施した地域活動グループの結果と比べるといずれも低い傾向を示していたが、長寿地域と言われている大宜味村は他4地域と比べユイマールが地域介護力として最も機能している地域であることが伺えた。
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