研究課題/領域番号 |
10672216
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
太田 喜久子 宮城大学, 看護学部, 教授 (60119378)
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研究分担者 |
山内 一史 宮城大学, 看護学部, 助教授 (20125967)
山田 嘉明 宮城大学, 看護学部, 助教授 (80200757)
安斎 由貴子 宮城大学, 看護学部, 助教授 (80248814)
大森 純子 宮城大学, 看護学部, 助手 (50295391)
結城 美智子 宮城大学, 看護学部, 講師 (20276661)
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キーワード | 高齢者 / 健康生活状態 / 日常生活活動 / 認知障害状態 / 痴呆性高齢者 / 家族介護者 / 地域ケアシステム / 超高齢地域 |
研究概要 |
本研究は、M県における超高齢地域と若年型地域を比較対照(独居と高齢者世帯を含む高齢者の健康生活、痴呆の状態、社会資源とソーシャルサポート、家族介護者による介護状況についての実態)し、地域特性を配慮した痴呆性高齢者と家族への早期介入をめざしたケアシステムのあり方について検討することを目的とした。 1.超高齢地域(高齢化率25.8%)の高齢者134名と若年型地域(高齢化率8.9%)の高齢者137名を比較した結果、平均年齢は73.3歳と74.6歳で有意差はなかった。世帯構成の最多のものは、超高齢地域では3世代世帯であり、若年型地域では高齢者夫婦世帯であった。両地域とも高齢者の8-9割に主観的健康観と生活満足感が高くみられた。両地域の高齢者とも日常生活活動能力は高く、性別・世帯構成による違いはみられなかったが、85歳以上になると低下することが確認された。痴呆を疑う認知障害状態にあるものは総じて少なかったが、超高齢地域では85歳以上において有意に低下していたのに対し、若年型地域では有意な低下はみられなかった。 2.痴呆性高齢者への在宅介護状況について、超高齢地域5事例と若年型地域6事例を分析した結果、超高齢地域では、保健婦の支援を軸として限定された地区サービスの利用へとつながっていく傾向がみられたのに対し、若年型地域では家族介護者自らがポランティアの活用を含む多様なサービスの利用へと介護体制を整えていく傾向がみられた。 両地域とも健康な高齢者の多い地域ではあったが、痴呆性高齢者がいる家族は問題を抱え込む傾向があることが共通してみられた。痴呆への知識や対処方法への理解を促すよう地域における日常的な啓蒙活動の必要性が示唆された。支援の求め方やサービスへの要望、高齢者の地域活動への参加意向といった住民意識とサービス資源は地域により特徴が見られた。痴呆性高齢者と家族への早期対応のためには、それぞれの地域特性を生かし地域に根づきやすい支援体制の在り方を検討していかなければならない。
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