研究課題/領域番号 |
10672218
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研究機関 | 愛知県立看護大学 |
研究代表者 |
波多野 梗子 愛知県立看護大学, 看護学部・学長, 教授 (60238011)
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研究分担者 |
山田 聡子 愛知県立看護大学, 看護学部, 助手 (80285238)
小野寺 杜紀 埼玉県立衛生短期大学, 教授 (40070700)
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キーワード | 看護倫理教育 / 臨床実習 / 看護学生 / 倫理的課題 |
研究概要 |
我が国初の脳死後臓器移植の実施など、医療の高度化が進んでいる現代社会の中で、より一層の看護倫理教育の充実が望まれる.本研究者らは、現行の看護倫理教育について、教育者側からの調査結果を既に得ている.本研究においては、(1)倫理的課題に遭遇した際の学生の認識と行動(2)倫理的課題に関する教育に対する認識について検討する目的で、看護学生集団に対する質問紙調査を実施した。 研究方法 A看護大学学生308名(編入生を除く)、B看護短期大学223名のうち、回答が得られた大学生115名(回収率 37.3%)、短大生154名(69.1%)。調査内容は、臨床実習で倫理的課題に学生が遭遇した場面事例を提示し、(1)何を思い、どのように行動しようと考えたのか、それはなぜか、(2)事例に関する授業の有無とその科目名、(3)臨床実習での事例のような経験の有無、について自由記述で回答を求め、留置法(一部郵送法)にて実施した。事例は、先行研究などを参考に、病名告知、看護方針の対立、患者の差別、脳死・臓器移植、出生前診断の5つの倫理的課題を題材とした。 結果 1.事例に対して「困惑」を感じるとの回答と、「困惑」についての記述が全くない回答に分けられた。また、その状況に直接関与する行動パターンと、傍観者的立場をとる行動パターンとに二分された。2.倫理的課題は複数の授業科目で教育されていることが明らかになったが、多くの学生は倫理的課題に関する授業を受けていないと認識していた。3.事例のような臨床実習経験のない学生がほとんどであった。 以上は、分析途中の結果である。今後、学生の認識や行動をより明らかにするために分析を進める。倫理的課題に関する授業科目を受けたと認識する学生と認識していない学生との相違、学年間の相違、大学と短大との相違についても分析を進める予定である。また、質問紙調査では抽出できない学生の考えについて把握するために面接調査の計画も進めている。
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