研究課題/領域番号 |
10672218
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研究機関 | 愛知県立看護大学 |
研究代表者 |
波多野 梗子 愛知県立看護大学, 看護学部・学長, 教授 (60238011)
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研究分担者 |
山田 聡子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助手 (80285238)
小野寺 杜紀 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (40070700)
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キーワード | 看護倫理教育 / 看護学生 / 倫理的課題 / 臨床実習 |
研究概要 |
本研究では、倫理的課題に対する学生の認知と行動の1年次から2年次への変化とその要因を縦断的調査から明らかにし、教育・指導方法の検討資料を得ることを目的とした。 研究対象・方法:1.1年次に質問紙調査に回答して調査に同意したA看護大学2年生と31名と、B看護大学1年生26名に対し、半構成的面接を実施。「癌告知」「方針の対立」を題材とした2事例を提示し、「何を思いどのように行動しようと考えるか」「それはなぜか」を質問した。A大学生には、1年次の自分の回答を示して変化の有無と自覚する変化要因をあわせて質問した。2.昨年度作成した5事例の倫理的課題からなる同じ質問紙を用いて、C短期大学2年生52名に対し、質問紙調査を実施。 結果:1.面接調査1)A大学生 面接結果および1年次の記述内容から、各事例別に「認知-行動」のタイプを抽出して分類した。各事例共に1.2年次に共通するタイプは少なく、各学年固有のタイプが認められた。多くの学生が1年次から2年次へと「認知-行動」のタイプが変化し、その変化パターンは多様であった。変化の主な要因は実習での実践経験などにあった。他に、教員や指導者との関係や指導内容、授業や近親者の療養、友人関係なども要因として明らかになった。2)B大学生 各事例別に「認知」と「行動」について分類を行った。「癌告知」事例に関しては、告知の是非について「認知」し、方針に従って「行動」しようとする学生が多かった。「方針の対立」に関しては、高齢者の介護負担を実感する経験の有無により「認知」内容が左右される傾向があった。多くの学生は、患者の意見を聞いたり、家族との話し合いなど、この状況を変えようとする「行動」を考えていた。2.質問紙調査 1年次および2年次の記述内容から、各事例別に分類を進めている。 1年次と2年次の変化とその要因をより明らかにするよう、今後分析を進めていく。
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