研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、高学歴看護者(以下:大卒者)の病院への就職が少ない時期に、病院の看護管理者が大卒者の受け入れをどのように考えているか、また、就職した大卒者はどのように受け入れられたかを明らかにすることであった。対象は、近畿2府4県の300床以上の病院の、看護部の代表者と1-5年目の大卒者であった。看護管理者の受け入れについては質問紙調査で、大卒者の受け入れとその受け止め方については半構成的面接法を用いて聞取り調査で行った。看護管理者は、大卒者の卒業時の能力評価は高く、特に、知的能力が高いとし、生活援助や診療補助などの看護技術の能力は低いと評価していた。大卒者には、卒後2-3年にはリーダ-的存在を期待している反面、リアリティショックや実践が伴わないのではないかとの不安・危惧が強かった。受け入れ準備は、大卒者の継続教育に関して婦長会等で検討していきたいと考えており、婦長に対しては教育役割を期待していた。大卒者の意識は、受け入れ準備は、特別なものは必要としていないが、看護実践に必要な看護技術には、具体的な指導を望んでいた。期待する研修では、集合研修と病棟研修の内容の吟味が必要で、研修方法は印象に残る工夫が望まれた。また、全体での振り返り研修は、自己の存在の確認のために3ヶ月毎に必要とした。病棟の受け入れでは、プリセプター制度が有効としていた。
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