研究課題/領域番号 |
10672224
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研究機関 | 聖隷クリストファー看護大学 |
研究代表者 |
野村 志保子 聖隷クリストファー看護大学, 看護学部, 教授 (00218356)
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研究分担者 |
坂田 五月 聖隷クリストファー看護大学, 看護学部, 助手 (90288407)
米倉 摩弥 聖隷クリストファー看護大学, 看護学部, 助手 (30210785)
江田 純子 聖隷クリストファー看護大学, 看護学部, 講師 (80160365)
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キーワード | 体圧 / 皮膚血流量 / 酸素消費量 / 呼吸数 / 知覚的苦痛 / 情緒的苦痛 / 側臥位 / 車椅子座位 |
研究概要 |
看護場面では、身体の圧迫を取り除くためにさまざまな保護用具を使用したり、体位や肢位の角度を工夫して患者の安楽を図っているが、用具を当てる位置や体位の角度によって患者の安楽性や身体に与える影響は異なるといわれる。本研究は臨床場面で頻繁に行われる側臥位や車椅子での座位において、枕による支持の仕方や側臥位の角度の違いにより生体への影響はどのように異なるかを検討することを目的にしているが、本年度は下記のことを行った。 健康な成人8名を対象に次の3つの条件下で実験を試みた。(1)コントロール群(90度右側臥位):背部、前胸部、大腿部を枕で支持(2)コントロール群の条件に加え、下側胸部に枕を挿入(3)30度右側臥位:左背部、左下肢を枕で支持。測定項目と測定部位は、各体位の圧迫部位になる耳、肩甲骨、大転子、腸骨、大腿、臀部の体圧、そして左第2指先と臀部の皮膚血流量を持続的に測定した。またMelzackの疼痛質問表を参考に作成した質問表にて知覚的・情緒的苦痛の内容と程度を10分毎に観察した。実験の結果、次のようなことが分かった。 (1) 3つの条件の中では、30度側臥位が最も安楽だという被験者もいたが臀部〜大腿部の苦痛は大きく、体圧は褥創発生危険点の32mmHgより高かった。 (2) 知覚的苦痛が強い部位の体圧は、どの体位でも32mmHgより高く、また体圧が強い部位および安楽な側臥位の角度は体型によって異なった。 (3) 90度側臥位時、下側の胸部に枕を挿入すると肩や大転子の苦痛は和らぐが、下側胸部に締めつけられる苦痛があり呼吸への影響が推測された。 今年度の実験では、器具の不備や機械操作の未熟により呼吸代謝の測定ができず当初の計画どおり行っていない。現在他大学の研究者から指導を受けており、計画を修正し来年度再実験する予定である。
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