研究概要 |
本研究の研究期間は,平成10年度から平成12年度までの3年間である。初年度である10年度の主なとり組み・活動状況は: 1) 質問紙の作成にむけての文献検索(アニミズム,認知的発達,小児の死の概念,小児をとりまく社会環境,Death-Education)である。これらの文献検索を通して,「小児の死の概念発達」と「小児の死の概念発達に関連する要因」に関する質問紙の作成に着手した。また 2) 小児の死生観(命の尊さ,動物や弱いものに対する思いやり)の発達に大きな影響力がある「小児をとり巻く環境・人間関係」の側面にも注目し,本研究に有用な既存の小児と環境(人間関係)に関するスケールを検討し,選定している。さらに本研究のデータ収集は,質問紙とともに半構成的面接によって,子どもたちが日常生活の中で出会う「死」をどのように受け止め,またその体験に対してどのようなFeelingを抱いているのかを把握する計画である。この半構成的面接は,子どもの心理状態に少なからず何らかのインパクトを与えることが予測される。そのための準備として, 3) 「生と死を考える会」セミナー(上智大学)に参加し,子どもと実際に死について語る活動を行っているホスピシボランティアの方の体験,子どもの反応,留意点等について研修を積み,研究計画に沿った準備に生かしている。まもなくプレテストを終了し,本格的に本調査を進めていく段階に入っている。
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