研究課題/領域番号 |
10672233
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
常盤 洋子 群馬大学, 医学部, 講師 (10269334)
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研究分担者 |
杉原 一昭 筑波大学, 心理学系, 教授 (30017777)
清野 裕子 群馬大学, 医学部, 助手 (50302493)
田口 陽子 群馬大学, 医学部, 助手 (60302494)
今関 節子 群馬大学, 医学部, 教授 (30134290)
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キーワード | 多胎 / 出産体験 / 価値づけ / 母親意識 |
研究概要 |
本研究は、多胎を出産した母親の出産体験の価値づけと母親意識の形成・変容の実態を明らかにし、育児ノイローゼ、乳幼児虐待を予防するための援助モデルを作成することを目的としている。そこで、平成10年度〜11年度にかけて、多胎と診断されてから出産・早期産褥期にいたるまでの母親意識の形成・変容を追跡し、母親としての自覚を促進・阻害する因子を明らかにすること。また、多胎を出産した母親が出産体験をどう価値づけるかによって子どもに対する共感性に違いがあるかについて検討することを目的に、妊娠中期から産後1年間にかけて縦断的な半構成的面接調査を始めた。平成10年度は延20回の面接調査が行われた。 調査の対象者は、G大学病院産科外来通院中で、多胎と診断されている妊婦12名(双胎妊婦10名、品胎妊婦2名)。不妊治療による多胎10名(品胎妊婦2名を含む)、自然多胎妊婦2名である。対象者の選定には、以下3つの条件を設けた。(1)調査に同意が得られる、(2)妊娠期から産後1年までの継続的な面接調査に協力が得られる、(3)面接内容をカセットテープレコーダーに録音すること、また、個人が特定されない方法で研究論文に掲載されることに協力が得られる。面接依頼時の対象者の妊娠週数は14週〜36週であった。 今年度は12名の対象者に面接調査が実施され逐語録が作成された。妊娠中期の面接は6名に実施され、胎動を自覚しているかによって母親意識に違いがあることが示唆された。妊娠後期の面接は5名に実施され、切迫早産、TTTSなどのリスクがあって入院している場合、母親意識は児の成長に向けられていることがわかった。早産を含め、5名が分娩を終了し、その内4名が帝王切開であった。1名は、双胎のうち1児が死産であった。産褥早期の面接の結果、出産体験の価値づけができている場合は、母親意識の形成が促進されることが示唆された。
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