群馬県内のCCUをもつ2つの病院に入院中の初発心筋梗塞患者で、研究参加の承諾の得られた11名を対象として研究を開始した。対象は69歳から89歳までの、男性8名、女性3名である。うち1名は、退院9か月後、間質性肺炎のため死亡した。 データ収集は、半構成的面接と参加観察、診療記録・看護記録からの基礎的データ収集により実施した。面接は、入院中で退院が決定した時期を第1回とし、退院して1か月後を第2回、3か月後を第3回、6か月後を第4回、9か月後を第5回とした。面接調査は11名全員が3回まで、10名が4回まで、7名が5回まで終了した。 面接内容は逐語記録を作成し、研究分担者のスーパービジョンを受けながら進行、分析を行っている。 現段階までの分析から、心筋梗塞後高齢者の退院時の生活の見通しの持ち方には、発病前の趣味、地域・社会活動状況が、退院1か月後の生活の変化には家族との関係、家族からのサポートのあり方が関連していた。またADL要介助の2事例は、退院後ADLが拡大し、生活満足感が高まっていた。 今後は平成11年10月までに退院12か月後までの面接を終了し、急性の健康障害を経験した高齢者の生活適応の過程と影響要因を明らかにするとともに、外来、地域における看護介入プログラム開発を予定している。
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