研究課題/領域番号 |
10672236
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
真田 弘美 金沢大学, 医学部, 教授 (50143920)
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研究分担者 |
永川 宅和 金沢大学, 医学部, 教授 (50019600)
紺家 千津子 金沢大学, 医学部, 助手 (20303282)
須釜 淳子 金沢大学, 医学部, 助教授 (00203307)
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キーワード | 治癒過程 / 高齢者 / 褥創 / 形態 / 看護 |
研究概要 |
今年度の目的 前年度の結果から、ポケットの治癒を遅延させる要因として、摩擦・ずれと圧迫の要因が抽出された。そこで、今年度はこれらの要因を回避するようケアの介入を行い、治癒過程に変化を認めるのかを確認する。 方法 ポケットを形成した褥瘡に対し、摩擦・ずれや圧迫の要因が加わっていないのかを確認後、該当する要因に対しケア介入を行い、ケア後の創の変化を記述する。 結果 対象は、20部位の褥瘡で、部位は仙骨部、腸骨部、大転子部である。体圧の要因が該当したのは5部位で、摩擦・ずれの要因が該当したのは17部位であった。 体圧ケアの具体的な介入方法は、体位変換により褥瘡部を圧迫しない体位に整えることや、体圧分散寝具を簡易体圧測定器を使用して40mmHg以下になるように選択することである。摩擦・ずれに関しては、30度側臥位では仙骨部の褥瘡では肉芽組織と皮膚がずれるため90度側臥位に体位を変更することや、創部局所のずれを予防するために創周囲をテーピングや陰圧吸引療法を行うことである。圧迫が関連した褥瘡に関しては、ケア介入により6ケ月以内にポケットは治癒した。摩擦・ずれが関連した褥瘡に関しては、6ケ月経過しても3部位が治癒に至らなかった。ケアの介入はなされていたが、1部位の大転子部の褥瘡では、体動により局所のずれ予防が十分に行えないことが原因と考えられた。2部位の仙骨部の褥瘡に関しては、肉芽の増殖が遅延していることが原因と考えられた。 以上より、ポケットが形成すると褥瘡は難治と言われ手術の適応等が考えられていたが、適切なケア介入により治癒が可能である。しかしながら、褥瘡の発生部位や、患者個々の肉芽増殖力によってはポケットの治癒に影響を及ぼす。
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