研究課題/領域番号 |
10672238
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
津田 紀子 神戸大学, 医学部, 教授 (80172021)
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研究分担者 |
鍵田 文子 神戸大学, 医学部, 助手 (90304112)
内 正子 神戸大学, 医学部, 助手 (20294241)
矢田 真美子 神戸大学, 医学部, 助教授 (10239783)
石川 雄一 神戸大学, 医学部, 教授 (90159707)
山縣 美和 神戸大学, 医学部, 助手 (80314491)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 心臓カテーテル / ストレス-コーピング / 神経・内分泌系反応 / 免疫系反応 / 不安反応(STAI) / ローカス・オブ・コントロール / セルフエフィカシー / ストレス看護介入モデル |
研究概要 |
本研究は高度先進医療に伴う患者のストレスのアセスメントツールと看護介入モデル試作に関する研究の一環として、心臓カテーテル検査・治療(心カテ)を受ける患者のストレスのアセスメントと看護介入モデル試案を作成することを目的としている。研究方法は同意を得た心カテを受ける入院患者総計22名を対象に、その検査・治療プロセスにおける心理的反応、生理的反応、ストレス・コーピング、看護介入の実際を調査しアセスメントと看護介入モデル試案を作成した。 1)患者の特性を調査するため、タイプA行動特性、ローカス・オブ・コントロール(LOC)、セルフエフィカシー(GSES)を調査し、検査前・後の6ポイントで調査した不安テスト(STAI)との関連を検討した。20名のデータを分析した結果、特性不安が高い患者やGSESが低い患者、LOCが低い患者は心カテが終了してもSTAIの状態不安が高い傾向にあった。 2)検査前・中・後のストレスによる生理的反応を検討するために、3ポイントにおける血中アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン、コルチゾール、NKCA、CD56を調査した。また、5ポイントにおける血圧、脈拍、呼吸を調査した。21名のデータを分析した結果、ノルアドレナリン、コルチゾールが心カテ直後に上昇し、終了3日後には低下した。CD56が心カテ直後に有意に上昇した。6項目すべてにおいて、心カテ前に比しカテ後3日において高値を示し、カテ後3日経過してもストレスが持続していることが推測できた。 3)検査・治療プロセスにおけるストレスとコーピングおよび患者が体験した看護介入の実際を分析するために、検査3日後に患者にインタビューを実施し、その内容と参加観察データ、VTRのデータを基に検討した。20名のデータを分析した結果、心カテプロセスにおけるストレッサーと心カテプロセスにおける情動的反応が体験として語られており、コーピングは、心カテ操作、生命の危険性、検査・治療結果に対するコーピング、身体的苦痛に対するコーピング、不安・緊張・恐れなどの情動反応に対するコーピング、情報に対するコーピングに分類できた。また、看護介入の実際は、存在感を高めるケア、声かけケア、共にいるケア、触れるケア、タイミングを図るケア、伝える・知らせるケア、支えるケア、気持ちを引き出すケア、気持ちに添うケア、安楽を与えるケアに分類できた。 4)以上の結果から、心カテのストレスアセスメントと看護介入モデル試案は、ストレッサーの一次評価、二次評価に伴う認知過程と行動反応をアセスメントし、ストレスに対処し適応できるよう介入することを基本として作成した。
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