腎移植者の自己決定のプロセスとその自己決定を支える看護援助について研究した。援助は看護面接とし、面接はカール・ロジャーズが提唱したPerson-centered approachに基づくカウンセリング面接を選択した。 最初に腎移植者の自己決定を支える看護面接者の態度について文献でまとめた。その態度で重要なことは腎移植者が自己を見る援助をするため、腎移植者が腎移植の手術を受けることに対して、受けたことに対してのどのような内面的体験をしているかを聴くことが必要なことが解った。 看護面接者の態度で腎移植を受けた3名の看護面接を実施した。その結果、3事例の腎移植に対する自己決定は生体腎と死体腎、腎移植希望を臓器移植ネットワークに登録する時の移植に対する認識、透析導入時や透析中の体験、ドナーの思い、生育史等によって内容が異なっていた。 次に3名に実施した面接から腎移植の自己決定のプロセスと自己決定を支える接助として要素を抽出し、看護面接の視点とした。それ等を【移植前の看護上の確認】【移植者への援助としての看護面接の視点】【移植後の看護の視点】に分類し、構造化した。次にそれぞれの視点で腎移植患者の自己決定を支える看護面接を具体的にどのように行なうかについて明らかにした。
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